
世界最大の暗号資産取引所 Binance(バイナンス) は、創業以来「本社を持たない企業」として知られてきました。創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)が「私がいる場所がバイナンスのオフィスだ」と語った言葉は象徴的で、同社の“ノマド(遊牧)経営”の姿勢を端的に表していました。
しかし、2025年12月の発表により、このスタイルはついに終わりを迎えたと見てよいでしょう。
アブダビで「三大金融ライセンス」を同時取得
バイナンスは、アラブ首長国連邦・アブダビの金融特区である Abu Dhabi Global Market(ADGM) において、グローバル金融ライセンスを3種類同時に取得しました。
取得した事業範囲は以下の通りです。
- 取引所運営
- クリアリング・カストディ(決済・保管)
- 証券業務・ブローカーディーラー
これにより設立された3社は、
- Nest Exchange Limited(取引)
- Nest Clearing and Custody Limited(清算・保管)
- Nest Trading Limited(ブローカーディーラー)
という形で、まさに総合金融機関のフルライセンス体制が整いました。
「事実上の本社」を示唆するCEOの発言
共同CEOの リチャード・テン(Richard Teng) 氏は次のように語っています。
「グローバルな規制の観点で見れば、私たちの“グローバル・プラットフォーム”はADGMの規制下に置かれることになる。」
公式には「本社所在地」とは明言していないものの、
● 主要事業すべてが一つの規制当局に統合管理され
● グローバル・ライセンスを司る拠点になる
という事実から、
アブダビが実質的な“世界本社”であることはほぼ確定
と見るのが妥当です。
なぜバイナンスは本社を定める必要があったのか?
① 規模拡大による「遊牧経営の限界」
バイナンスはいまや、
- 数億人規模のユーザー
- 日次取引高数兆円
- 世界最大の暗号資産インフラ
という、純粋なグローバル金融機関の規模に達しています。
こうした規模で「拠点を持たずに世界を転々とする」経営は、
もはや規制面・税務面・ガバナンス面で許されなくなったと言えます。
② 米司法省との巨額和解が転換点
2023年、バイナンスは米司法省との間で**43億ドル(約6,500億円)**という史上最大級の和解に合意。
同時に創業者CZはCEOを退任し、マネーロンダリング体制の不備について有罪を認めました。
ここから、
- 前CEO体制の終了
- 企業統治の全面刷新
- コンプライアンス最優先路線への転換
が一気に進みました。
③ テン体制による“金融機関化”
新CEOであるテン氏は、元金融監督当局出身という生粋の規制専門家。
2024年には、
- 初の正式な取締役会を設置
- 内部統制・AML(反マネロン)体制を再構築
と、従来のスタートアップ的経営から完全に脱却しました。
そして今回のアブダビ拠点化こそが、
バイナンスが正式に「世界規模の金融機関」へと移行した最終ピース
と位置づけられます。
なぜシンガポールでもロンドンでもなく「アブダビ」なのか?
✅ 規制が明確で柔軟
ADGMは英国コモンローを採用し、
- 暗号資産の法的位置づけを明確化
- カストディ、取引、証券業務の枠組み整備
を行った世界有数のクリプト友好規制区です。
✅ 国家マネーの後押し
2025年3月には、
- UAE政府系ファンドから20億ドル出資
- 国内従業員はすでに1,000名超
という圧倒的支援体制が形成されています。
これは単なる「誘致」ではなく、
国家戦略としての暗号資産産業育成
に他なりません。
✅ 地政学的に中立
米中対立の狭間にある中東は、
- 金融的に中立
- 法的安定性が高い
- 国際資本が集まりやすい
という特性を備えており、まさに
グローバル金融の“緩衝地帯”
として機能しています。
世界の暗号資産ハブは「アブダビ」に移りつつある
過去10年、
- 中国
- アメリカ
- シンガポール
- ドバイ
と移ってきた暗号資産の重心は、現在アブダビへ収斂中です。
明確な規制、国家資本の支援、国際的中立性——
三拍子がそろった金融ハブはそう多くありません。
ノマドの終焉は、業界「成熟化」の証
バイナンスが拠点を定めたという事実は、
暗号資産業界が“アウトロー”から“主流金融”へ完全に移行した
ことを意味します。
かつてのように、
- 無登録取引所
- 透明性のない経営
- 曖昧な所在地
でビジネスが成立する時代は終わりを告げました。
結論:バイナンスが選んだのは「都市」ではなく「未来」
バイナンスが本当に選択したのは、アブダビという都市ではありません。
それは、
規制と共存し、グローバル金融の一員として生きるという“道”
です。
ノマド企業として語られた伝説はここで区切りを迎え、
いま、バイナンスは本格的な世界金融機関としての時代に足を踏み入れました。
これは1社の物語ではなく、
暗号資産業界全体が新しい章に入ったことを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。
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